その瞳に映るもの

 こんばんは。Nanashunです。

 前回、初詣に彼女と行った話を書きましたが、実はその帰り道、彼女から思わぬ一言をもらいました。

「明日から旅行行ってくれませんか?」

予想だにしない内容に運転中の自分は、思わず意識がそちらに飛びそうになりましたが、焦る彼女と対象的に冷静になって、「いいよ」と言いました。そもそも、なぜ彼女がいきなりこんなことを言い出したかと言うと、実は彼女は友達と旅行に行く予定でした。しかし、その友達が前日に体調不良になり、旅行のキャンセルが効かないということで、代理で同伴者を探していたのです。そこで真っ先に選ばれたのが自分で、しかも運良く自分は予定なし、かつフッ軽なので、すぐにその要望に応える形にしました。そんなあまりに急で、あまりに楽しかった旅行のことを書いて行きたいと思います。

 先ず、今回の舞台は名古屋。理由は彼女も友達もジブリが好きなので、「ジブリパーク」に行きたかったからだそうです。ただ、その点自分はジブリには無頓着ですが、好奇心があるのと、そもそも彼女が行きたいところなんて、きっと楽しいに決まっていると、そこに全くの迷いはありませんでした。1日目、集合時間に余裕を持って到着すると、なんとそれに反比例するようにバタバタしながら彼女がやってきました。相変わらずだなあと安心すると共に、いよいよ始まるんだと胸が躍り出しました。新幹線、席に着くにいなやワクワクの自分たちは眠りにつく間もなく、ずっとお話ししたり写真撮ったりしながら向かいました。名古屋駅につき、人気のラーメンを食べると、自分たちは先ずはホテルに向かいました。ちなみに、そのホテルは友達が選んだこともあり、それはそれは素敵なホテルで、自分にはもったいないくらいでした。しかしながら、今回代理が見つかって友達も喜んでいるとのことを受けて、ありがたく楽しむことを心に決めていました。少し休憩し、夜ごはんは味噌おでんや手羽先を頬張りました。

 その後、オシャレなカフェでデザートを食べたのですが、夜も深まる中で話の話題もディープになってきました。そこで自分は別に彼女に頼まれたわけでもなく、俗に言う幸福論を語りました。簡潔に自分の幸福論を語ると「生まれや環境は不平等であっても、幸せは平等」ということです。例えば、若くして亡くなった人がいたとします。その人は世間一般的には不幸と思われてこの世を後にします。逆に長く生きた人は、それだけ幸せな瞬間に出会えたと世間一般的には思われていることでしょう。しかし、果たして神様はそこまで不平等なことをするでしょうか。自分はそうは思わなくて。若くして亡くなった人は、もちろんその先も幸せな未来はあったかもしれませんが、それまでの人生だって幸せだったはすです。長く生きた人にだって、辛い瞬間や報われない瞬間はきっとあったはずです。そう考えると、やっぱり神様は生まれや環境は選べなくとも、せめても思いで幸福度は平等にしていると考えるのです。それを今の彼女に伝えました。彼女は自分と生まれも違えば、育った環境、見てきた景色、触れた経験も全く違います。もちろん、耐え抜いた痛みの数も違います。だからこそ、そんな彼女に待っている未来はもう幸せしかないのです。そんな約束された幸せの中で、自分と出会い、選び、愛してくれたわけです。そんなの、当たり前に言うまでもなく、幸せにするしかありません。そんな熱い言葉をずっと話していたら、彼女の美しい瞳から涙が溢れていました。しかし、いつも明るい彼女はそんな似つかない姿が照れ臭いのか、すぐに顔を顰めてトイレに行ってしまいました。そんな彼女に残された自分は、泣かせておきながら想いの音符が彼女に響いた気がして、なんだか1人嬉しくなっていました。帰り道、彼女が「もったいないなあ」と一言だけ呟きました。「何が?」と惚けるも、「なんでもない」とはぐらかされてしまいました。けれども、その瞬間彼女が言いたいことがわかってしまいましたが、それは冬の夜空に隠しました。そんな淡く、だけど温かい名古屋旅行の1日目が終了しました。

 さて、2日目は東山動物園、3日目は本命のジブリパークに行きました。どちらも瞳で見て、自然を感じ、音を聴き、手や舌に触れ、五感の全てで楽しみました。東山動物園ではスワンボードでいかにもカップルらしいことをし、バカ笑いしては、「スワンボードに乗ったら別れる」なんてジンクスもバカにしていました。自分たちに世間一般や前例など各式ばったことがないことくらい、言うまでもないはずでした。そして、ジブリパークではさして教養のない自分も彼女のはしゃぐ姿を横目に、そのフィルムに映る彼女に微笑みを隠せませんでした。また、来たくても来れなかった友達のために何ができるかを模索しては、2人でお土産を選んだりしました。帰り道、振り返った夕日があまりに美しかったことは、このブログで言葉にすらできません。そんな夕日を背中に、また旅行行こうと2人誓いました。

 そんな感じで、あまりにもあっという間で、あまりにも楽しかった旅行が終わりました。今回の旅行で、どうやら彼女はまたしても自分の良いところを見つけることができたそうで。それだけで自分はまたしても得をしてしまったというのに、想い出まで頂いてしまって、なんだかほんといつももらいすぎだなあと思いました。それでも、これまで当たり前にやってきたことや思っていたことがなかなか周りに伝わりきらない中で、彼女がそういう些細なことにも気づいては、伝わっていると伝えてくれるので、最近の自分はあまりにも自己肯定感が高いなあとつくづく思う次第です。そんな彼女に旅行で言えなかった返事をするならば、彼女はいつも自分の知らない自分を引き出してくれることが良いところだと改めて思いました。そんな彼女とこれからもたくさんの想い出を紡ぎたいですし、そんな彼女の瞳に映る景色には、出来るだけ自分も一緒にいたいと思いました。今回、自分の瞳には自然やあまりにも美しい夕日などたくさんの絶景がありました。しかし、やっぱりなんだかんだ彼女の涙に勝るものはないと、振り返りの中でそう強く思いました。だから、これからも自分の瞳には彼女の美しい瞬間を、彼女の瞳には自分という想い出を、お互いがお互いの瞳に宿していければと思います。その瞬間が増えるたび、それをこうしてまた言葉にしていきます。その言葉に出会う瞬間も、ここではまたその美しい「瞳」なのです。だから、自分はこれからも紡いでいきます。自分の瞳に映る、唯一無二の彼女に向けて。

 読んで頂き、ありがとうございました。

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