想いの痛み止め

 こんばんは。Nanashunです。

 4月の上旬、親知らずの痛みに悩まされた自分は、この度親知らずの抜歯を決意しました。しかしながら、大学時代から避けてきた抜歯をなぜわずか2週間で決意することがてきたのか。今回はその背景から、抜歯、その後までを書いていきたいと思います。

 先ず、背景ですが、2つあります。1つはとてもシンプルですが、その時の親知らずの痛みが今までにないくらい痛かったからです。今までも定期的に親知らずが痛むことがあった自分ですが、ある時には頬をマッサージするだけで治ることもあれば、ある時はそれで治らなくても、歯医者に行って薬を貰えば治るくらいのものでした。実際、今回も歯医者に行って治まったので、前と同じかと言われればそうなのですが、決定的に違うのはその時の痛みで。生活に支障が出るくらいの痛みを経験した自分は、これがこの先も来ることの方が辛いと思ったからです。しかし、とは言っても抜歯は怖いもの。だから、もう一つ理由があるのです。それが彼女です。彼女が歯医者なの?とそんな冗談はさておき、結論彼女は歯医者でもなんでもありません。自分と同じ営業(今はコンサル)で働いていますからね。ではなぜかと言うと、彼女が親知らずの抜歯ないし、色んな痛みを経験していたからです。あまり詳しくはお話しできませんが、彼女は自分なんかよりも乗り越えた痛みの数が桁違いです。それは付き合っている自分が1番理解しているつもりで、だからこそそれが今回の自分の親知らず抜歯の決意を加速させました。彼女に比べれば、自分の人生は平穏だったと思うと、同じ痛みを分かち合わなければ、本当の意味で優しくなれないと思った自分は、今回の決意に至りました。以上、2点を理由に、自分は迷うことなく、親知らずの抜歯を決意しました。

 当日を迎えました。普通に平日仕事のあった当日は、それまであまり実感が湧いていなかったものの、フレックスで早退して1人になるや否や、だんだんと実感が湧いてきました。家に帰り、お風呂とご飯を済ませると、あっという間に抜歯の時間に。いざ、歯医者に着き、先生に呼ばれると、正直あの時の決意を後悔するくらいには、少し怖い気持ちもありました。しかし、施術に入ると決まった時は、駄々捏ねず、ひたすら真っ直ぐにその瞬間を待ちました。麻酔をし、身体に行き渡る感覚も恐ろしいと思うのも束の間、施術に入りました。時折痛む場面も何度もありましたが、そんな時は彼女のことを思い出して、自分を奮起させていました。彼女が乗り越えてきた痛みに比べれば、こんなもの、と言わんばかりの思いは、痛みすらも乗り越えていき、気づけば施術は終わりを迎えていました。抜歯後、もちろん真っ先に彼女に連絡しました。彼女は当日友達とのご飯があったにも関わらず、自分への連絡をすぐに返してくれました。それは彼女からしても心配のように思え、自分からしては嬉しい出来事の一つでした。家に帰り、麻酔が切れてくると、だんだんと痛みが伴ってきました。その時間くらいに彼女も解散し、なんと今度は彼女からすぐに電話がかかってきました。「寝る前は電話できないかと思って」その彼女の言葉はとても優しさに満ち溢れていて、それだけで痛みが和らいでいきました。

 それから土日も、彼女は自分の予定がある中でも、適度に心配してくれて、何度も電話をかけてくれました。その度に自分は痛みの大小はあっても、それがその瞬間は治るくらいには、彼女からの優しさを受け取っていました。ある時には、ものすごく心配していながらも、ある時にはいつものような明るさで自分を励ましてくれました。そんな彼女を見ていると、なんだか自分の中の痛みもちっぽけに思えてきてなりませんでした。自分は医療は確かにすごいと思っています。実際、今回も医療のおかげで自分はまた一つ痛みの元凶を取り除くことができたわけですから。それにもらえる薬、特に痛み止めなんかも、魔法のような力を持っているに違いありません。しかし、自分には医療と同じくらい、ましてやそれを凌駕するものを知っています。それが想いです。「病は気から」なんて言葉があるように、気が病を治すことだって、あると本気で思っています。でも、そんなことを馬鹿正直に話すことを馬鹿にしないで欲しいです。少なくくも、自分は今回、彼女の想いが痛み止めになってくれたことを実感しました。もちろん、まだ完全に治ったとは言い切れません。でも、なんというか、これがあればこれからどんな痛みを伴わおうと、乗り越えられると信じて疑わないのです。そして、それを証明するべく、今度は自分が彼女にとってもそういう存在になれるように努力したいですね。そんなことに気づけた親知らず抜歯でした。

 読んで頂き、ありがとうございました。

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